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松下 武司大学院博士後期課程1年

私は今年度より、化学系の民間企業から国内留学によって大阪府立大学に派遣され、理論科学・計算科学研究室で研究活動を行っています。研究テーマは「計算化学を用いて新しい材料物質を設計する」ことで、次世代表示装置として期待される有機ELや液晶の開発に携わっています。計算化学を用いれば、コンピュータ上で様々な分子や材料のシミュレーションを行い、その機能や構造、特性を解明することが可能になります。
実験を行なって実際に合成する必要がありませんからコストが殆どかかりません。架空の材料を設計し、どのような特性を示すのかを予測する事ができるといった利点があり、民間企業でも多用されつつあります。

大学と企業の研究は、多くの場合、その取り組み方やスタンスが少し異なります。
企業における研究の最終目的は、製品開発、売り上げの向上などになります。一方、大学での研究では、新しい現象(例えば、新しい化学反応、物質、機能など)を発見し、なぜそのようなことが起こるのかを解明するための努力を惜しみません。大学で行なわれているこのような最先端の研究が、企業が世の中に送り出す新製品やアイデアの技術基盤ともなっています。皆さんがこれから大学で行う研究は、社会の役に立つ次世代の製品にも繋がっているのです。

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オープンキャンパスでの一コマ。研究室を訪れた高校生のみなさんに研究紹介する松下さん(中央)