科目名

物理化学3

 

対象

分子科学課程・3年次生

 

時間

前期・水曜・2限

 

教室

A5棟3階・302講義室

 

単位数

2単位 

 

担当

早川 (A14棟1階・107室)


授業の目的・到達目標
学生が、分子に関しての量子化学による理論的な知見と分子分光学等の実験で得られるデータとの結びつきを理解し、2原子分子の各運動とエネルギーについての知識を身につけること。さらに群論を利用して多原子分子への構造と運動についての理解を深める。原子核スピンについての理解を深め、分子の構造情報を得る方法についても知識を身につけ、レーザーとレーザー分光学についての理解も深める。具体的には、以下の能力を身につけることを達成目標とする。
1.種々なエネルギーの単位の意味を理解し、各単位での値を相互に変換する方法

2.調和振動子による分子振動の理解と剛体回転子モデルによる分子回転の理解
3.2原子分子の振動回転スペクトルと分子の励起との関係、力の強さと核間距離の算出
4.群論を利用した対称性の理解、多原子分子の運動モードと光の吸収に関する選択の理解

5.核磁気共鳴分光法の原理と測定データと分子構造の関係の理解
6.分子の励起と反応の実験方法であるレーザー分光と光化学の理解

 

授業内容

物理化学とは、化学が対象とする物質特にその基本的な構成要素である化合物や分子について、物質の構造、性質、反応を調べるために、物理学的な手法を用いて研究する学問領域である。物理化学3では、分子に関しての量子化学による理論と実験で得られるデータの結びつきについて講義を行い、分子の各運動とエネルギーについての知識を身に付け、分子についての微視的な理解を確実なものにし、核間距離や力の定数などを自分で算出できる力を身に付けるように指導をする。さらに群論を利用した多原子分子への理解と原子核スピンのエネルギーについての理解を深め、分子の構造情報を得る方法についても知識を身につけるための講義を行う。

  授業時間外学習(準備学習) 授業内容の理解には予習復習がとても重要です。予習に関しては、シラバスに毎回の授業に対応する予習箇所を記載しているので、教科書の該当部分を読んで、次回の授業で扱う内容を大まかに理解し、疑問点を考えておくこと。復習に関しては、授業中に演習問題等学ぶべき課題を提示します。提出を求めることがあります。

 

教科書(テキスト)及び学習する章

 

マッカーリ・サイモン「物理化学(上)」千原ら訳(東京化学同人)
教科書の中で、下記の章を中心に学ぶ。章末問題を中心にレポートの提出を求め、その解説を次回の授業で行い理解を深める。
第5章 調和振動子と剛体回転子:二つの分光学モデル
第12章 群論:対称性の利用
第13章 分子分光学
第14章 核磁気共鳴分光法、
第15章 レーザー、レーザー分光、光化学
教科書で不足する内容については、プリントを配布します。 
  参考書

アトキンス「物理化学 第8版(上・下)(東京化学同人)
バーロー「物理化学6版
(上・下)」(東京化学同人)、
ムーア 「物理化学4版
(上・下)」(東京化学同人)
授業内容に該当する記述のあるその他の物理化学の出版物も参考になります。
  関連科目

化学1、量子化学1・物理化学2

 

成績評価

授業の目的(到達目標)の到達度で成績評価を行う。C(合格)となるためには、実施される授業内容に関連する基礎問題が解けることが必要である。授業目標で記載されている内容についての、小テスト、中間試験、期末試験の成績を80%以上として、その他レポートの内容、授業態度等を20%以下で評価します。トータル100点として、60以上を合格とします。


オフィスアワー 随時
      物理化学疑問氷解ショA14棟1階リフレッシュルーム:水曜日Vコマ

 

備考

本科目は、受講生が化学1と量子化学をすでに履修していることを前提に実施します。

・実施スケジュール 

予定される内容 *

備考
第1回  授業の目標の解説、量子化学の基礎の復習、電磁波のエネルギーとエネルギー変換表の作成 エネルギー変換表と変換グラフの完成
第2回 分子のエネルギー(並進・振動・回転・電子)と運動の関係 指定した問題の演習
text p.169-178
を予習
第3回 2原子分子の振動エネルギーの算出
エルミートの多項式
指定した問題の演習
text p.178-186
を予習
第4回 2原子分子の振動エネルギーとスペクトル、力の定数 指定した問題の演習
配布プリントを予習
第5回  2原子分子の回転エネルギーの算出
ルジャンドルの
陪関数
text p.187-192を予習
第6回  2原子分子の回転エネルギーとスペクトル、核間距離

配布プリントを予習、
指定した問題の演習

第7回  ラマンスペクトル 配布プリントを予習、
指定した問題の演習
第8回  振動回転スペクトル

text p.532-539を予習、
指定した問題の演習

第9回  群論と対称性:対称操作と対称要素:
text p.487-498を予習
指定した問題の演習
第10回  既約表現と可約表現

text p.499-505を予習、
配布プリントを予習

第11回  指標表の利用:

text p.505-514を予習、
指定した問題の演習

第12回  群論と多原子分子の振動

text p.538-544を予習

第13回 電子励起とスペクトル text p.543-551を予習
指定した問題の演習
第14回  振動励起回転励起における選択率 text p.551-564を予習
第15回  学期末試験または復習

 

第16回  学期末試験予備日または核磁気共鳴法、レーザー分光 text p.584-622
text p.629-659
を予習

*  講義の進度に応じて若干変更される可能性があります。