科目名 |
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化学熱力学 |
対象 |
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理学類・分子科学課程・2年次生 |
時間 |
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前期・水曜・1限 |
教室 |
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A5棟・1階・103室 |
担当 |
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藤原 秀紀(A14棟・1階・102号室)(hfuji@c.s.osakafu-u.ac.jp) |
授業目標 (達成目標) |
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熱
力学の法則とエンタルピー、エントロピー、ヘルムホルツエネルギーとギプズエネルギーの概念を理解し、化学熱力学データを用いてそれらの値を算出し、状態
の変化や平衡について、定量的に議論できる知識を身につけること。具体的には、以下の能力を身につけることを達成目標とする。 1. 熱力学第一法則の概念の習得と、熱と仕事、内部エネルギーとエンタルピーの理解 2. ヘスの法則に基づく、反応エンタルピーの計算方法の習得 3. 熱力学第二法則の概念の習得と、エントロピー、自発変化の起こる条件の理解 4. 熱力学第三法則の概念の習得と、絶対エントロピーの理解 5. ヘルムホルツエネルギーとギプズエネルギーの概念の習得 6. 化学反応のギプズエネルギー変化と平衡定数の関係の習得 7. 化学平衡の温度・圧力変化の理解 |
教科書及び 参考書 |
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教科書:エンゲル・リード 物理化学(上) 稲葉章訳(東京化学同人) 第1章〜第6章を学びます。 教科書で不足する内容については、必要に応じてプリントを配布します。 参考書 アトキンス「物理化学 第8版(上)」(東京化学同人) マッカーリ、サイモン「物理化学(下)」千原ら訳(東京化学同人) その他の種々な物理化学や化学熱力学の出版物も参考になります。 |
関連科目 |
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化学1、物理化学1、物理化学2,機能物質化学1,物理化学演習1 |
授業概要 |
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化
学熱力学は状態変化や化学変化が起こる方向や平衡の位置を教えてくれます。これらの変化の方向性や平衡定数の値を決めている原理は、熱力学法則として記述
されます。その概念を習得することで、非常に多岐にわたる化学反応を基礎的概念から理解できます。熱力学データを用いて、内部エネルギー、エンタルピー、
エントロピー、自由エネルギーなどを算出し、それからの値から実際の平衡条件や平衡定数を求める方法を講義します。本講義の内容を理解することにより、公
表されている非常に多くの熱力学データを用いて、種々な反応の進行や平衡について定量的に調べることができます。 |
成績評価 |
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授業目標の達成度で成績評価を行う。C(合格)となるためには全ての項目で基本的な問題(教科書の例題レベル)が解けることが必要である(ただし、軽微な計算ミスは除く)。成績を評価する手段として、各回の小テストと試験を用いる。試験(75%)、小テストおよびレポート(25%)により評価する。 |
オフィスアワー |
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以下の時間帯を除いて、質問など随時受け付けています。 月〜水の午後(5月中、分子科学実験2担当)、金曜2コマ(機能物質化学1) |
・実施スケジュール
回 |
月日 |
各回の授業概要 * |
準備学習の指示 |
第1回 |
4/10 |
化学熱力学の全体像と学ぶ目的、高校で学習した内容との結び付き、熱力学の基本概念 |
第1章の内容の理解 |
第2回 |
4/17 |
内部エネルギーと熱力学第一法則、系と外界、仕事と熱、、熱容量 |
指定した問題の演習、第2章 p.19-30を予習 |
第3回 |
4/24 |
状態関数と経路関数、平衡、可逆過程と非可逆過程 |
指定した問題の演習、第2章 p.30-38を予習 |
第4回 |
5/8 |
エンタルピーと様々な過程における熱力学量の計算 |
指定した問題の演習、第2章 p.38-44を予習 |
第5回 |
5/15 |
内部エネルギーのV依存とT依存 |
指定した問題の演習、第3章 p.49-59を予習 |
第6回 |
5/22 |
エンタルピーのT依存とP依存 |
指定した問題の演習、第3章 p.60-68を予習 |
第7回 |
5/29 |
熱化学、ヘスの法則 |
指定した問題の演習、第4章 p.73-84を予習 |
第8回 |
6/5 |
熱力学第二法則と熱機関 |
指定した問題の演習、第5章 p.93-104を予習 |
第9回 |
6/12 |
前半(第1回〜第7回)の内容(第1章〜第4章)の演習 |
第1章〜第4章の内容の復習 |
第10回 |
6/19 |
エントロピーの導入、エントロピーの変化の方向 |
指定した問題の演習、第5章 p.105-106を予習 |
第11回 |
6/26 |
クラウジウスの不等式、熱力学第三法則 |
指定した問題の演習、第5章 p.106-116を予習 |
第12回 |
7/3 |
ギプズエネルギーとヘルムホルツエネルギー |
指定した問題の演習、第6章 p.135-140を予習 |
第13回 |
7/10 |
マクスウェルの関係式、ギプズエネルギーとヘルムホルツエネルギーのP,V,T依存性ー |
指定した問題の演習、第6章 p.140-144を予習 |
第14回 |
7/17 |
化学ポテンシャル、反応混合物のギブスエネルギー、混合ギブスエネルギー、化学反応のギブスエネルギー |
指定した問題の演習、第6章 p.144-150を予習 |
第15回 |
7/24 |
ギブスエネルギーと平衡定数、理想気体の混合物の平衡分圧の計算、平衡定数の温度変化 |
指定した問題の演習、第6章 p.150-161を予習 |
第16回 |
7/31 |
主に後半の内容(第5章〜第6章)の内容についてのテスト(一部、前半の内容を含む) |
第5章〜第6章の内容の復習 |
* 講義予定は、講義の進度に応じて若干変更される可能性があります。
授
業内容の理解には予習復習がとても重要です。予習に関しては、シラバスに毎回の授業に対応する予習箇所を記載しているので、教科書の該当部分を読んで、次
回の授業で扱う内容を大まかに理解し、疑問点を考えておくこと。復習に関しては、授業中にレポート課題を提示し、提出を求めます。